バアル
【名前】
バアル 【紹介】
バアルは嵐と雷雨、山岳の神で、慈雨により豊饒をもたらすとされ、「力強きバアル」「雲に乗る者」と形容される。
その図像は二本角のついた山高帽や兜(角は神の象徴)、棍棒(稲妻)と槍(豊饒)を身につけた姿で描かれ、武装して武器を振り上げた姿をとって王権を表すという。
父は最高神エルもしくは穀物神ダゴンといわれ、妹であり妻である女神アナトがいる。
他にもバアルの妻として、アシェラト、アスタルテの名が挙げられる。
バアルの王宮は高い山の上にあり、雷雨や嵐を伴って雲に乗り天空を駆ける雨季の象徴とされた。
また、英雄神として荒ぶる自然・旱魃などの混沌と戦う「王権」も表しており、海神ヤムとの戦いに顕著である。さらに死神モトによって引き起こされたバアルの死と、アナトの力によるバアルの復活は、植物の成長や乾季・雨季のサイクルを象徴しているという。
神話においてバアルはヤムを倒すことでエルから王権を譲渡されたが、話によってはエルを強襲して男性機能を奪い王権を簒奪するという荒々しい面も見せる。
そのルーツはメソポタミアの暴風神アダドに見られるとされ、それがシリアに入ってバアル・ハダド→主神バアルになったといわれる。 旧約聖書ではユダヤ教と対立し、ユダヤ人を誘惑する異教の神として書かれる。
唯一神ヤハウェのライバルとして敵視されるバアルだが、ヤハウェ自体が天候神であるバアルの影響を大いに受けており、バアルに捧げられた讃歌が名前だけ挿げ替えられてヤハウェのものにされた、バアルが撃破した原初の大蛇ロタンにレヴィアタンの原型が見られるなど神性の流用が行われたといわれる。 元々はセム語の「主、主人」を意味する言葉で様々な神名に付き、各都市国家にはそれぞれ別のバアル神がいたという(バアル・ゼブル「高き館の主」、バアル・ペオル「ペオル山の主」など)。
中東の都市国家以外にも、シリア人の移住と共にエジプトに伝承され、カルタゴにおいてバアル・ハモン(香煙の祭壇の主)が主神として崇められている。
さらにローマ皇帝ヘリオガバルスがシリアのエメサから伝えた太陽神エラガバルスは、名がアラム語で“山の神(Ilaha Gabal)”を意味することから数多あるバアル神の一柱とみなす説がある。 ソロモン72柱のバエルの「東方を支配する、東の軍勢を指揮する」という設定は、上記バアル・ハダドおよび数多のバアル神が信仰されたカナンやウガリット、バビロニアの地がキリスト教圏の東方世界に位置する為とも言われる。 【声優】
東地宏樹 【作品】
マギ シンドバッドの冒険 【Youtube動画】
https://www.youtube.com/watch?v=l5kMNSAyDjQ 【更新日付】
2020/08/31 07:58:11