三日月・オーガス
【名前】
三日月・オーガス 【紹介】
火星の民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)」の参番組に所属する少年兵にして本作の主人公。
元々はストリートチルドレンで、本編では出ていないが長井監督の発言によると技師をしていた両親と5歳で死別し、養護施設からも出ざるを得ない身の上だったとのこと。
その後の詳細は不明だが、引き取ってくれる大人もいなかったのか浮浪生活を余儀なくされる身の上になっていたようで少なくとも10歳の時点ではCGSに既に入っており、それ以前の年齢時点で生きるために殺人も厭わない生活を送って来たため学校にも行ったことがない。
有機デバイスシステム「阿頼耶識(アラヤシキ)システム」の施術を三度受け、高い空間認識能力と機動兵器操縦技術を持つ。
少年兵のリーダー格であるオルガ・イツカとは実の兄弟以上の信頼関係で結ばれている程の長い付き合いであり、彼からは「ミカ」の愛称で呼ばれており、他の団員からは「三日月」や「三日月さん」と呼ばれている。
幼少期に殺人を犯した直後のオルガとの思い出は彼にとって人生の原点とも言うべき出来事であり、そのことから「自分の命はオルガにもらったものだから、オルガのために使い切らないといけない」という価値観が行動原理となっている。 参番組では専用のパーソナルカラー(白色)に染められたモビルワーカーに搭乗し、CGSに於けるエースパイロットの一人として扱われていたため、ギャラルホルンによるCGS襲撃の際にオルガからガンダム・バルバトスのパイロットを任せられ、以降はオルガの立ち上げた鉄華団の一員として仲間を、家族を守るべく、持てる力の全てを振り絞り最前線で戦い続ける。
CGSが鉄華団と名前を変え、最初にオルガが受けたクーデリア・藍那・バーンスタインの護衛依頼を完遂する為に地球を目指す旅にでる。 まだ若いながらも兵士としては成熟しており、その肉体は鍛錬によって鍛え抜かれている。ただし身体の発育は遅く、オルガ達と同年代でありながら身長はタカキ・ウノら年少組と同程度かそれ以下。
就学経験がないため文字の読み書きは苦手としているが、知識が不足しているだけで頭の回転はむしろ早い方であり、また学習意欲も無いわけではない。
後に字の読み書きについては、クーデリアから教わっており、二期になる頃にはかなり読んだり書いたりできるようになっていた様子。
農業に対する憧れから、自分で農場を拓きたいという将来的なビジョンを持つものの、世界情勢などに関しては疎く、あくまで自分の周辺を知る程度の認識のみである。
火星ヤシと呼ばれるデーツ(ナツメヤシの実)に似た果実を好み、阿頼耶識システムで酷使される脳への糖分の補給も兼ねて、待機中や小腹が空いた時によく口にしている。 あまり細かい事を気にしない大らかな性格の持ち主である一方で、同時に戦場育ち特有のシビアな思考も併せ持ち、敵意を向けた相手には一切容赦しない。 戦闘スタイルも非常にえげつなく、コクピットをメイスや機体の手足で踏み蹴り潰しは当たり前、果てはメイスのパイルバンカーで敵機をパイロットごと串刺しにしたりと、タービンズメンバーすら「グロい」とドン引くことすらある(なお、コクピットの踏みつぶしは相手が仲間であるビスケットを殺した仇でありその怒りも込めての1撃とも言える)。
敵が心情を吐露する叫びをしても一切構わず「ごちゃごちゃうるさいよ」と冷徹に切り捨てる。 但し、それは嗜虐心というわけでもなく「殺らなければ自分達が殺される」という判断故であり、相手を倒しても特に喜ぶこともない。 感情を必要以上に昂らせたり取り乱す様子もほとんど無いが、決して感情の無い冷淡な人間というわけではなく、仲間に対しての情は深く、相応の礼節も弁える。
自分に関係のない人間の生死には非常に淡白だが、仲間、特にオルガやアトラ・ミクスタなどの自分に近しい人間が傷付けられると仲間相手でも激昂し、傷付けた相手に強い殺意を向ける。
事実、エドモントンへ向かう列車の最中にビスケットを殺害した相手が現れた時はオルガの指示も聞かずに突撃し相手に反撃すら許さない猛攻撃を加えて撃破している。 後述の通り、悩んだり思考を放棄している面があり、物事の解決手段がほぼ「障害を排除する」で帰結している。
そのため、例えば「立場の異なる相手に対して自分たちの意見に同調してもらう」などの発想そのものが欠けており、クーデリアがメディアを通じて訴え、戦いを止めた時は「オルガにも出来ない」と賛辞した一方で、彼女のやり方を通じて新たな方法に理解や模索することはほとんどなかった。
もっとも、そんなクーデリアの様子を見て、言い知れぬ苛立ちを覚えるなど、全く考えることをしない自分に対して、潜在的には何かしら思う部分もある様子。 また、自身の行動の多くはオルガに強く依存しており、オルガが下した指示の内容に対しては全幅の信頼を置いている。部隊内でも積極的な自己主張をせず、作戦会議等の場には姿を表さない事も多かった。
オルガはそんな三日月の眼差しに応えられる人間になりたいと努力している一方、三日月もオルガの右腕として足る存在であり続けたいと思っており、戦闘で苦戦した際にはオルガの期待に応えられなかったと思い悩む事もあった。
更に、上記の「障害を排除する」以外に問題の解決法を持たないので、オルガや鉄華団の武闘手段への誘発や暴走を引き起こしている一因となっている。 自分のことを「戦うことしか出来ない」と評価しつつも大抵の事は何でもそつなくこなせてしまう天才肌であり、操縦経験のないモビルスーツを操り、実戦をこなし、携行武装やスラスター噴射圧で粉塵煙幕を張るなど、とっさの機転に富み生存能力も高い。
さらに機体の挙動を見ただけで過去に闘ったパイロットか否かを判別し、遺留品に残された匂いから嗅覚を頼りに持ち主を探し当てるなど多彩なスキルを有し、兵士として類稀なる才能を持つ。
そうした卓越した実力や名声の独り歩き、そして三度の施術による高い阿頼耶識システムへの適正から、実際の人となりを知らない者からは才能や阿頼耶識システムのおかげと勘違いされる場面も見られたが、その実は前述の徹底的な鍛錬によって現在の実力を手に入れた、いわゆる「努力の人」である。
さらに言えば平時は将来の夢である自分の農場のために作物の栽培にも繰り返し挑戦しており、本人の評価とは裏腹に決して「戦いだけの人間」でもない。
この事はハッシュにも後々認知され、のちのハッシュの成長にもつながる。
戦闘に於いては刀のような繊細な武器ではなく、メイスなどある程度乱暴に取り回しても動作する武器を好んで使用する(あくまで好き嫌いの話であり、好みでない武器もその実力は一流レベル) その一方で、ある程度采配を任されているとはいえ機体や装備を酷使する事も多く、彼の乗るバルバトスはその都度細かな野戦換装や大規模な改修を余儀なくされた。 また、生まれや育ちから視野が狭くなりがちで戦術的な観点を全く持てなかったが故に、局地的な戦闘ではまさに無敵と言える力を振るうものの、超長距離からの飽和攻撃といった未知な上に真っ向からのぶつかり合いではない手段で攻められると対応しにくく、最終的にこの弱点が命取りになってしまった。 【声優】
河西健吾 【作品】
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 【Youtube動画】
https://www.youtube.com/watch?v=j3Jx8EVgdk8 【更新日付】
2020/08/30 14:24:58